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新春第1冊!「チーム・バチスタの栄光」

あけましておめでとうございます!
飲み屋のカウンターで年越しした俺であります...


「チーム・バチスタの栄光」(宝島社・海堂尊)

この本は、絶対面白いだろう、だろうから...と楽しみに取っておいた本。手術道具の並ぶ黄色い装丁は非常に素晴らしく、これはハズレじゃないなと確信させるほどの出来。そして、やはり面白い本だった。今年はツイてる気がするぞ~!

内容は...とある大学病院のボンクラ診療医田口が心臓バチスタ手術の精鋭部隊「チーム・バチスタ」の失敗急増加(もちろん心臓手術なので失敗=死亡である)の原因を解き明か...せないので、とんでもない応援、謎の役人白鳥を呼ばれ、かき回されるというものである。

で、この作者は小説家としてはキャラクターの設定がちょっとクドいが素晴らしく(一流マンガ家並。俺はコト、キャラクターを造るコトに関しては小説家よりもマンガ家のほうがはるかに上と思っている)、また造られたキャラクターをとても良く自由に・かつ統率させて走らせて気持ちがいい。

作者が現役医師というコトで、病院内のやりとりはしっかり描写されるが、専門用語についても解りやすく邪魔にならない説明が入るので読むリズムは狂わない。途中参加の白鳥はそれこそややこしい言葉で人を狼狽させるのが得意な嫌味な奴だが、これもキャラ立てが良い為に読むにコツはいるが苦にならない。

2006年の「このミステリーがすごい!」大賞作なのだけど、途中途中にあまりにもフェイントを使っているコトとラストの解決方法が専門的すぎるので全体的には謎解きという楽しみは薄い。まあ、個別のフェイントについては楽しめるけど、読者が推理しても無駄な話ではあるので「ミステリ」好きな人には合わないのかも。

しかし、白鳥というキャラクターはもうコレ、その立ち位置も振る舞いも全て名探偵なのである。「名探偵と刑事」という組み合わせを「名探偵と医師」にシフトしたのがツボの作品であり、探偵モノの王道の設定を借りてリズムに乗ったフェイントの妙技を魅せるこの作品はなすがままに楽しいのである。

去年の高校サッカーの野洲がフェイントによる「カッコイイ」サッカーで頂点を極めたように、時流で旬な作品なのかもしれない。波動砲なんて言葉を一般名詞としてつるっと使うあたりも今時なのか...というのは次回にまかせよう。


というコトで、次回はこの作家の2作目の秘密を小説読みがついてコレない角度から解き明かす!!

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